名前のない灯火 · The Nameless Lamp第2章 空白の行The line after the blank霧生 蒼 · 灯文堂振EN翌朝よくあさ、俺おれはあの薄うすい本ほんを鞄かばんに入いれたまま、学校がっこうへ向むかった。ページは、昨夜さくやよりも少すこしだけ増ふえていた。「読よんだ?」昼休ひるやすみ、蛍ほたるが教室きょうしつの窓際まどぎわに現あらわれた。制服せいふくのまま、古本屋ふるほんやの匂においがする。「まだ、一行いちぎょうだけだ」「それで十分じゅうぶん。灯火ともしびは、急いそがない」彼女かのじょはそう言いって、俺おれの鞄かばんを指さした。「三日みっかは、今日きょうから数かぞえるんだよ」PrevMark read